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消化液

2025.07.14 | Category: 院長ブログ

この時期になると毎年投稿していますが「熱中症を防ぐ為には水分補給が大事」なのは耳タコですから大丈夫だと思いますが本日は1歩進んで『飲むタイミング』について触れます。勿論喉が渇いて危険な状態の時はタイミングを議論している余裕は無く水分補給を最優先にするのは当然ですが、普段は「食事前の水分補給」と「食事中の水分補給」は注意してください。何故なら消化液の働きを阻害してしまう可能性があるからです。例えば唾液に含まれるアミラーゼは炭水化物を分解するのですが「よく咀嚼しない」「水分と一緒に流し込む」ような食べ方ではアミラーゼの効果は弱まってしまいます。また今ではテレビのみならずスマホ•タブレット•ゲーム等の誘惑が多いので行儀悪く食事中に見ている人は「今何が口に入っているのか」「これはどんな味か?どんな味付けなのか?」と味わうことも無いまま食事が行われていれば当然咀嚼回数が減ります。本来炭水化物は咀嚼によって分解された状態で胃袋に入って来ると仮定しているのに第一段階が未消化で流入して来るので胃は炭水化物を分解する機能の無い、タンパク質分解のペプシンが含まれる胃酸を大量に分泌して対応に苦慮します。結果として炭水化物が大好きで「早食い」「咀嚼しない」「食事に集中していない」人は未消化の食材が十二指腸へと流入します。十二指腸では本来なら主にタンパク質を分解するトリプシン、キモトリプシンと脂肪を分解するリパーゼが膵臓から分泌されるのですが、一応「僅かに」残っている炭水化物への対応の為にアミラーゼも膵臓では分泌されます。しかし炭水化物が大量に残っていると膵臓はタンパク質と脂肪分解のみならず炭水化物の分解にまで取り掛かることになります。これは膵臓は勿論、十二指腸に多大な負担をかけるので『膵炎』『膵臓がん』『十二指腸潰瘍』『十二指腸腫瘍』『胆嚢炎』等の疾患を招くことに繋がります。ここが慢性的に疲弊すれば当然未消化食材は小腸と大腸の負担が増えて腸疾患という形で出現することは想像出来ると思います。全快堂で「オリゴ糖をちゃんと摂っているのに便が出ない」と文句を言う人が居ますが酪酸菌やビフィズス菌さえ増えれば便が良くなると思ったら大間違いです。食事中の癖や食事の内容、イライラしながら食事をすれば当然消化や排便にも影響することを頭に入れるべきです。また当たり前ですが皮下脂肪と内臓脂肪も付着し易くなりますので痩せない人や血液検査に要注意が有る人は生活を見直してください。熱中症防止の為に身体を冷やすことは大事ですが「冷やし過ぎ」は体調不良に直結します。乾姜(かんきょう)を摂って元気に猛暑を乗り越えましょう。

当院へのアクセス情報

全快堂

所在地〒470-1151 愛知県豊明市前後町鎗ケ名1879-2
電話番号0562-85-5973(電話予約は必ず必要になります)
休診日日曜日(隔週)お休み
院長宮木 謙三