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言葉に救われた 2

2016.05.07 | Category: 院長ブログ

しかしその後も多くの不妊治療希望患者が後を絶たず妊娠、出産を繰返し喜び、喜ばれ感謝されて『やっぱり一人でも多く妊娠の手伝いをして無事出産してもらいたい』と思うようになりました。でも片時も彼の家族の事を忘れた事がありませんでした。なかなかその話題を切り出せず飲み会の日に。そして私は意を決して彼に尋ねました。『私は不妊治療をして良かったのか』と。彼は満面の笑みを浮かべ間髪入れず『勿論』。そして『今の仕事、今の目標は子供が居なければ思いもしなかった事。だから生まれてきてくれて本当に良かった』と。(注:本来『障害者』という言葉には抵抗が有りますが分かりやすいように使わせて頂きます。ご理解下さい)彼は今、障害の有る子供が本当の意味(多くの会社は重要な仕事をさせず時間が経過するのを待っている)で働ける状況に無い社会を変えようと市や政治家や会社や出資者に掛け合い彼等が本当の意味で戦力として働ける会社を作ろうと動き、もう既に『理想の会社』を作り上げているのです。また一人でも多くの障害者の雇用を促進する努力を企業に働きかけています。今後の展開としては彼等が学校を卒業した時に『何も困らず即戦力になる』実践的な学校を創ろうと画策しています。帰宅すると恥ずかしながら号泣してしまいました。何年もの間、胸に突き刺さったトゲが抜けたような安堵感と同時に『障害』という言葉だけで心のどこかで差別していたのではないか。また妊娠は時が来れば自然に出来ていたのに不妊治療をした事を実際は、気付かないうちに『驕り』になっていた事が恥ずかしかったのです。色々な気持ちが交錯して一睡も出来ませんでした。胸の傷痕は『驕りの戒め』として一生残しつつ新たな生命の誕生のお手伝いを今後もしていきます。きっと今後も彼には頭が上がりません。

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全快堂

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院長宮木 謙三