皆様は『高橋竹山(1910~1998)』という方を知っているでしょうか?私は三味線の音色が好きで特に津軽三味線に何故か惹かれてしまいます。かといって詳しい訳ではありませんし院内では好き嫌いが分かれるので流せませんから私が津軽三味線が好きなんてことを知っている人はいません。ところで何故津軽三味線の音色に惹かれるのかを高橋竹山氏の人生を調べれば分かるかもと【PrimeVideo】で探したら初代竹山と最初の弟子、二代目竹山が中心となったドキュメンタリーを見つけました。観て感動したと同時に死と直結しているギリギリの人生の歴史が人の心を動かす音色を作り出しているんだと感じました。更に昭和8年の三陸沖地震で津波に襲われ周囲の助けを借りて命の危機を回避した初代竹山と2011•3•11の地震の後に慰問に駆けつけた二代目という巡り合わせにも心を打たれました。興味の有る人は見てください。しかし昔は障害の無い人でさえ天災や凶作で食べ物が無く口減らしで生きたまま穴に埋められたという場所が現在でも慰霊塔として各地に残っていることにショックを受けました。そんな厳しい時代を盲目の人が食べる為に芸を磨き生きてきたからこそ『魂の叫び』の音色となって人々の心に響き心を動かすんだと分かりました。初代竹山が『子供のころは下手だったなぁ』と悔いている場面が有りました。私も今の治療技術が決して上手くはありませんが最初の頃に治療した人々一人ひとりに謝りたい気持ちで我慢できないほど切なくなりました。謝罪出来ないからこそ今の患者様方に今出来る限りの最高の治療を提供することだけを考えて勉強し設備投資をして毎日休まず働くことが、せめてもの償いだと思っています。とりあえず開業以来27年出来ているのは『臨時休診』が無いことぐらいですが。
呼吸(浅•深) »