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認知症の人の状態

2015.11.29 | Category: 院長ブログ

認知症の人の頭の中は分かりません。しかし私は少しだけ分かる気がします。私は大学4年間アメリカンフットボールをやっていました。危険なスポーツですから練習中であっても絶対に気を抜いてはいけません。しかしながら一度だけ気が緩んで脳震盪(のうしんとう)を起こしてしまいました。その後の事は暫く記憶が飛び(1時間30分程)30年経った今も思い出せません。しかし記憶が戻ってきた15分程は今も鮮明に覚えています。私の体験した状況が数多くの認知症患者様の証言と非常によく似ているので『認知症はこんな感じだろう』と思います。その1時間30分程は全く記憶が有りませんが普通に動いていたそうです。ただ納得出来ないというか理解出来ない状況に突然なった為に同じ質問『俺何してた』と何十回も繰り返していたそうです。そして徐々に分かり始めた時に奇妙な感覚に襲われました。別の自分がもう一人いて勝手に発言したり行動しているのです。その様子を意識の有る自分が深い霧の中で迷いながら声の聞こえる方向に向かって歩いている感覚でした。最初に耳が聞こえて徐々に霧が晴れてきて現実が見えた時に身体と意識が一体化したという感じでした。正に『自分が自分でない』他の誰かに操られている感覚でした。認知症の人は私の体験を逆に向かうと思います。認知症の人は何も分からないのでは有りません。だから行動を止められたり注意されると怒りが湧きます。間違った行動で注意された事は忘れるのですが怒りの感情だけは印象が強く残り、また蓄積されます。そこで認知症の方は乱暴になったり暴言を吐くようになりやすいのです。認知症の人の尊厳を保ち対応すると穏やかな方となり介護がやり易くなります。最後に認知症の人の行動には必ず理由が有ります。例えばトイレにトイレットペーパーを押し込んだりするのは流し方を忘れても無くさなければいけない事だけ分かるから。汚した衣服を箪笥に押し込むのも洗濯を忘れても汚れた物は隠したい(整理整頓の意識も)。分かってあげて下さい。

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全快堂

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院長宮木 謙三